昭和30年代に入り日本は高度成長期を迎えました。昭和30年、広島市の人口は375,000人に。地域の発展に合わせるように、福屋も同年10月、第一次増築工事に着手しました。営業を続けながらの困難な工事となりましたが、これ以降昭和50年の第四次増築工事まで、福屋もまた飛躍的な発展期を迎えます。
この頃の百貨店の賑わいの象徴が屋上遊園でした。「子供天国」と呼ばれた福屋屋上もさまざまな遊具が並び、多くの家族連れでにぎわいました。屋上で遊んだ後のレストランでの「お子様ランチ」。これが百貨店の楽しみ方の定番でもありました。
昭和34年10月、創業30周年を迎えた福屋では、これをお祝いする装飾を施し、記念大売り出しをおこなうなど、お祝いムード一色。この年からはじまった“岩戸景気”による社会の好況とも連動し、店内はお客様でにぎわいました。